HDDの完全消去をLiveCD(CD起動・ブート) Linuxでやる
 2007.03.25

最近はHDD(ハードディスクドライブ)を捨てる(廃棄する)時に,中身のデータを消去するよう決められている企業もありますね. そのHDD完全消去をCD起動のLinuxを使って実現する方法です. セキュリティ意識の高まりからか,HDDを破棄する時には完全に消去することが望ましいでしょう.再フォーマット(ファイルシステムの再作成)では不十分なのです. 市販のソフトにもHDDの完全消去を行うソフトがありますが,やっていることは今回紹介する方法と変わらないでしょう. 使うのはknoppixです.たぶんknoppix以外のCD起動のLinux,あるいはLinuxディストリビューションのインストールCDのrescueモードでも使えるかもです. 1. knoppixを起動したら,ターミナルソフトを起動します.起動したターミナルのシェルで su – を実行してrootになる. 2. 完全消去するHDDがどのデバイスに対応するか確認します.次のコマンドでknoppixが認識しているHDDのリストが表示されます. % fdisk -l 一般的に,IDEディスクは/dev/hd{a,b,c,d}になり,SCSIやUSB, SATAのディスクは/dev/sd{a,b,c,d..}として見えるはずです.不安であれば,パーティションをmountして中身を確認しましょう. 3. 消去するHDDのデバイスが確認できたら,次のコマンドを使います.shredは指定したファイルやデバイスに乱数を基にしたデータ(つまり,意味の無いでたらめなデータ)を書き込みます. % shred -n 3 /dev/XXX /dev/XXXの部分は消去するデバイス名にあわせてください.  -n 3 はデータの書込みを3度繰り返す,という意味です. 3回というのはアメリカの国防省の基準に従った回数だそうです.こちらがその基準についての文書らしいのですが該当する記述はわかりませんでした.A Guide to Understanding Data Remanence in Automated Information Systems さらに言えば国防省の基準ですから,対象となるのは軍事レベルの機密情報(?)なんでしょうか.私個人としてはそれほど気にしなくても良いような気もします.消去の処理自体はコマンドを実行後はほっとけば終わるものなので,廃棄するHDDの数が少なければ3回やるかもしれません. 廃棄するHDDが10個もあったら,-n 1で済ましちゃうかも. それと,shredコマンドはfileutilsの一部のようなので,結構どのLinuxディストリビューションにもインストールされていると思います. 2007/4/19追記: 手順1. で 「root になる」を追加 2007/9/26追記: Knoppix をテキストモードで使うを書きました.起動が超軽快です.
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