今さらながら「デザイン」てなに?
 2006.10.05

キョウビ1日1度は耳にしていそうな「デザイン」という言葉。これだけ使われているにもかかわらず、どういう意味かを聞かれると答えられない人が日本ではほとんどのような気がする。

で、英和辞書を引いてみると、「図案を作る」「設計する」と先ず書いてある。たぶんここまで読んで終わってる人がかなりの数を占めてるとミタ。それに続いて「計画する」「立案する」と書かれているが、海外、少なくとも先進国では後群の意味として捉えられているケースが多い。

「図案を作る」はイラストレーティングやドローイング。「設計する」はドラフティングやプランニング。それぞれ個別の言葉を用いられる場合が多い。「デザイン」とは、これらの作業をひとまとめにした総称で、そもそも相当広い意味を持つ言葉であるわけです。

海外で「いいデザインですね」と言われれば、見栄えも含めて、「良く考えられて作られてますね」という意味。日本ではもっぱら「美しいですね」といった意味合いでしか使われない。それだけ「デザイン」に対する意識が浸透していない国であるとも言える。

現に、わりと大きな企業でさえも、「デザイン」の意味を理解しないまま「デザイン室」なるものを抱えている場合が多いのに驚く。先ずは「デザイナー」と称した「イラストレータ」や「モデラー」に図案や模型を作らせ、上層部の「いいねぇ」の一声で草案が決まってしまい、開発が始まってからエンジニアに「このサイズじゃ機械が入んないからココちょっと盛り上げちゃってくれる?」みたいな注文を余儀なくされたりする。それで見た目がどうなろうとエンジニアは知ったこっちゃない。晴れて発売期を迎えると、美しかった初期スケッチが幻だったかのような製品が工場から次々と生み出されていく・・・。結果、美観も機能もちぐはぐな製品ばかりが売られることになるわけです。

つづく。

カテゴリー:雑記帳